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| 隣の部屋で… | |
| 発行日時:2017年2月16日 | マガジンNo.08567 |
| 同じ敷地内に、親世帯の母屋と、息子夫婦世帯の新しい家が建つお家が今回のお客さんです。 それぞれの世帯にピアノがあり、両方とも調律させていただくとてもありがたいお客さんです。 その母屋にはおばあちゃんが一人暮らしです 少し前までは、お孫さんが母屋にきてピアノの練習をしていました。もちろん、自分のお家でも ピアノを弾いていましたが、兄弟二人でのピアノの練習なので、時間が重なったりした時は、 一方が母屋に来て、練習をしていたのです。 おばあちゃんはその時間がとても楽しみでした。元々、そのおばあちゃんが、二人の息子(一人 はそのお孫さんのお父さん)にピアノを習わせていたので、その頃の思い出がよみがえるようで した。 しかし、孫たちが、段々と大きくなると、おばあちゃんの家に来てピアノの練習をすることを、 嫌がるようになり、専ら、自分の家でのピアノでしか練習しなくなりました。 母屋に調律に行くと、おばあちゃんは寂しげに、そしてちょっと楽しげに、こう話してくれました。 「最近は、この家で孫たちがピアノを弾いてくれないので、向こうの家から聞こえてくるピアノの 音に合わせて、私は指揮棒を振ってるんですよ。」 自分の家にきてくれなくなった孫達を責めるのではなく、遠くからそっと見守っている。それに 自分なりの楽しみを見つけて、自分も孫たちと演奏を楽しんでいる。 そんな秘密の楽しみを教えてくれました。 隣の部屋から聞こえてくる孫たちのピアノ そのピアノに合わせてこっそりと指揮棒を振るおばあちゃん 色んな愛の形があることを教えてくれた出来事でした。 |
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